
長野県 令和6年度 国補地すべり対策(大規模特定)工事 上田市

| 工事箇所 | (地)尾野山 上田市 尾野山 |
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| 工期 | 令和6年10月11日~令和8年3月27日 |
上田市尾野山地区は、山あいの斜面地に集落や農地が広がる地域で、古くから地域の暮らしと営みが積み重ねられてきた場所です。上田市の土砂災害警戒区域等の公表資料でも、尾野山を含む生田地域は地すべり警戒の対象として示されており、地形的に地盤変動への注意が必要な区域です。さらに尾野山には地域の歴史を伝える文化財も残されており、生活の場であると同時に、地域の歴史や文化を受け継ぐ大切な土地でもあります。 
このような中山間地域では、ひとたび地すべりが進行すると、農地や生活道路、日常の移動、さらには地域そのものの継続に大きな影響を及ぼします。特に地すべりは、表面上の変化だけでなく、地中の地下水や土層の動きが大きく関わるため、見えにくい危険を抱えながら進行することが特徴です。尾野山地区でも、継続的な観測や対策事業が行われており、地域の安全を守るために長期的な視点での地すべり対策が必要な場所です。 
本工事では、こうした地すべりリスクに対応するため、斜面の安定化と地下水対策を組み合わせた総合的な施工を行いました。法面工としては、アンカー法面保護工76本・延長2,784.5mを施工し、斜面内部から地盤を確実に保持することで、滑動しようとする力を抑えています。あわせて、地下水排除工(集排水ボーリング工)200mにより、地すべりの大きな要因となる地下水を排除し、斜面内部の水圧を低減しました。さらに、植生工538㎡と簡易法枠工295㎡を組み合わせることで、表層の浸食防止と法面保護を図り、構造面と環境面の両方から斜面の安定化を進めています。
地すべり対策工事は、完成して初めて価値が見えるというよりも、災害を起こさせないことで価値を発揮する仕事です。今回の施工により、尾野山地区における地盤の安定性向上が図られ、地域住民の暮らしや移動、農地の保全、そして地域の継続的な営みを支える基盤づくりにつながります。目に見えにくい地中のリスクに向き合い、将来にわたる安心を支える重要な施工実績となりました。




